小満 末候 麦秋至

麦秋至(ばくしゅういたる)

小満 末候は新暦では5月31日から6月4日頃
5月末から6月初旬は麦の収獲の時期。

この次期を麦の秋と呼び、実りの季節を感じます。


二毛作のできる地方では、表作では米を作り、裏作で麦を植えています。裏作の麦は早めに刈り取り稲を植えます。
裏作には、麦のほか、大豆や菜種、蓮華などが用いられました。

小満 次候 紅花栄

紅花栄(べにばなさかう)
小満 次候は新暦では5月26日から30日頃

紅花の古い呼び名には、末摘花(すえつむはな)、紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)などがああります。
本来は梅雨の時期から梅雨明けにかけ、真黄色の花を咲かせます。

紅花の栽培は平安時代から始まりました。
生薬や染料にも使用され、また種子からは紅花油を採集も。

江戸時代になると、出羽で採れる「最上紅花」が一級品としてもてはやされました。

小満 初候 蚕起きて桑を食う

蚕起きて桑を食う(かいこおきてくわをくう)
小満 初候は新暦では5月21日から25日頃

蚕が元気よく桑の葉をいっぱいたべて育つ時期です。
繭は美しい絹糸となります。
絹糸をつくる蚕は「お蚕さん」や「お蚕様」などと呼ばれ大事に育てられました。

雨水 末候 草木萌え動く

草木萌え動く(くさきもえうごく)
雨水 末候は新暦では3月1日から4日頃

柔らかな陽光の下、草木が芽吹き始める季節。
冬の間じっと蓄えていた生命の気配が、外に向かって力強く表現され始めるのがこの時期。

雨水 次候 霞始めてたなびく

霞始めてたなびく(かすみはじめてたなびく)
雨水 次候は新暦では2月24日から28日頃

春霞がたなびくこの季節。
山野の情景も淡い変化が起きるころ。

霞は霧よりも薄く、夕方以降に出ます。
春に遠くの山並みがかんで見える景色を春霞と呼びます。
「霞」の文字のついた地名は川の近くや窪地といった湿気の多い場所だったのかもしれません。

雨水 初候 土脈潤い起こる

土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)
雨水初候は新暦では2月19日から23日頃


この時期は、早春の暖かな雨が降り、田畑も勢いを取り戻し、草木は春の気配を感じ始めます。


立春 末候 魚氷に上る

魚氷に上る(うおこおりにあがる)
立春末候は新暦では2月14日から18日頃

暖かくなり、池や湖の氷が割れる頃。
湖底にいた魚たちも跳ね上がります。
春先の薄く貼った氷のことを、薄氷と呼びます。