草木萌え動く(くさきもえうごく)
雨水 末候は新暦では3月1日から4日頃
柔らかな陽光の下、草木が芽吹き始める季節。
冬の間じっと蓄えていた生命の気配が、外に向かって力強く表現され始めるのがこの時期。
候のことば
草木の息吹
古くより、道端に咲いている花に目をむけ短歌や俳句などにされてきました。
この時期になると、春らしさもどんどんと増してきて、草木の生命力を感じつころとも多いのではないでしょうか。
旬の兆し
木の芽起こし(きのめおこし)

雨水の末候に降る雨を「木の芽起こし」といいます。
この木の芽起こし、冷たい雨が降ることをいいますが、植物が花をつけるための大切な雨。
木の芽が冬から目を覚まし、芽が膨らむのを助けるように降ることから木の芽お越しと呼ばれています。
他には「木の芽萌やし」や「催花雨(さいかう)」とも呼ばれます。
植物にとっては、一雨ごとに春めく時期といえます。
旬の野菜
菜花(なばな)

春の訪れを告げる職黄色野菜の菜花。
葉は柔らかく、緑鮮やかです。
花が開くまえのつぼみにはビタミンCや鉄分、カルシウムなどの栄養が豊富。
ほろ苦さが体の免疫力アップに効果があります。
おひたしや和え物、天ぷらなどにして。
なばなのレシピ
旬の魚介
蛤(はまぐり)

はまぐりはひな祭りや結婚式には欠かせないおめでたい物。
はまぐりの貝殻の噛み合わせが対のもの以外は合わないことから夫婦和合の象徴とされて、お祝い事のおめでたい食材になりました。
この発案者は八代将軍吉宗と言われています。
しかし現在、国内の海岸て穫れるはまぐりは非常に少なくなっています。
一番の旬は春ですが、冬場のはまぐりも旨味がきゅっと詰まって美味です。
ひな祭りに食べるなら、はまぐりと菜花のすまし汁でしょうか。
はまぐりのレシピ
旬の行事
ひな祭り

3月3日は「上巳(じょうし)」「桃の節句」です。
源氏物語にも出てきますが、平安時代より厄を人形に移して水で流し清める「流し雛(雛流し)」と呼ばれる厄災よけの風習がありました。
江戸時代になると、節句の儀式と結びつき、華やかな雛人形を飾るようになり、女の子の成長をねがう「雛祭り」へと発展しました。
東大寺二月堂 修二会(しゅうにえ)

開催日は3月1日~14日
奈良の東大寺で行われる修二会は1200年以上にわたり続けられている、国家の安泰や五穀豊穣、人々の幸せを願う儀式です。
二月堂の道に松明を灯す「お松明」、若狭井と呼ばれる井戸の水を観音様にお供えする「お水取り」、752年から途絶えることなく続く「不退の行法」などが有名です。
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若狭のお水送り(わかさのおみずおくり)

開催日は3月2日
福井県小浜市の神宮寺で行われる「若狭のお水送り」は東大寺で行われる「お水取り」に先駆け行われる伝統的な神事です。
由来は、東大寺二月堂で行われる修二会に全国の神を招いたが、福井の遠敷明神は漁で忙しく遅刻し、お詫びとして二月堂の本尊である十一面観音にお供えの閼伽水を送ると約束したこととされることが始まりです。
暗くなり始めると、僧侶や山伏の姿をした行者を先頭にして、本堂の護摩から火を移した松明を手にし、人々は遠敷川の鵜の瀬へと向かい、竹筒に入れた水を川へと注ぎます。
この鵜の瀬は二月堂の若狭井と通じていると言われ、川へ注がれた水は約10日かけ東大寺二月堂の若狭井へ届くとされています。
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元三大師大祭 だるま市(がんさんたいしたいさい だるまいち)

開催は3月3日4日
東京都調布市にある深大寺で行われるだるま市。
日本三大だるま市の一つである「元三大師大祭 だるま市」は境内に300店ものだるま屋が並び、購入しただるまには深大寺の僧侶が目を入れて、護摩壇の火にかざし魂を入れてくれます。
深大寺の目入れは特徴があり、左目には梵字を入れる独特なものになっています。
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