霞始めてたなびく(かすみはじめてたなびく)
雨水 次候は新暦では2月24日から28日頃
春霞がたなびくこの季節。
山野の情景も淡い変化が起きるころ。
霞は霧よりも薄く、夕方以降に出ます。
春に遠くの山並みがかんで見える景色を春霞と呼びます。
「霞」の文字のついた地名は川の近くや窪地といった湿気の多い場所だったのかもしれません。
候のことば
霞と霧

霞と霧はよく似た現象ですが、気象上は視程1キロメートル以下のものが霧で、1キロ以上のものは霞といいます。
また、季節の言葉としては春は霞と良い、秋のものを霧と呼び分けます。
霞は「たなびく」と表現し、霧は「立ちのぼる」と表現します。
なんとなく意味は知っていても使い分けをするのが難しい霞と霧。
「霞」と「霧」、シッカリ使い分けしたいところです。
旬の兆し
野焼き

野焼きは、2~3月ころの晴天で風のない日に原っぱや土手などに火を放ち枯れ草を焼き払うもの。
枯れ草が焼かれて灰になり、その灰が牛馬の飼料となる草の成長を促す肥料になります。
大原(京都府)、若草山(奈良県)、秋吉台(山口県)などの野焼きは規模も大きく全国的に有名です。
旬の野菜
芥子菜(からしな)

からしの辛味と香りのある菜葉です。
この野菜の種子で和がらしを作ります。
葉や茎は油で炒めたり、おひたし、つけもの、おひたし、和え物などに。
刻んだものをパスタの具や手作り餃子の具にしても美味しく食べられます。
2月から4月が旬です。
からし菜のレシピ
旬の魚介
素魚(しろうお)

シロウオは身が透明でひかりが透けて見えるのが特徴。
白魚と名前や姿、生態が似ていますが、白魚はキュウリウオ目シラウオ科で、素魚はスズキ目ハゼ科の魚。地域によっては呼び方が逆になっている事もあるので要注意です。
旬は2~5月で、産卵のために川へ遡上してきたところを四手編みと呼ばれるあみで収獲。
踊り食いや軍艦巻きなどで。
その希少性から、高級魚として扱われていますが、現在では日本の汽水・淡水魚類レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。
旬の行事
北野菜種御供(きたのなたねごく)

北野菜種御供は、北野神社で行われる藤原道真の忌日である2月25日に行われる例祭です。
神饌である「玄米蒸し」に菜の花を挿して献じたのが始まりとされています。
近年では菜の花ではなく、梅を献じる「梅花祭神事」として親しまれています。
北野神社には50種類、約1,500本もの梅の木が植えられています。
この日は野点の茶席や露天もあり賑やかさを楽しめます。
寒い年には雪中梅を鑑賞できることも。
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偕楽園水戸の梅祭り

岡山の後楽園、金沢の兼六園とともに日本3大庭園の1つとして数えられる水戸の偕楽園は、梅の名所です。偕楽園の梅が夜間ライトアップされる夜梅祭りなどが催されます。園内100株3,000本の梅が咲く様は見ごたえがあります。
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修正鬼会(しゅじょうおにえ)

開催日は旧暦で1月5日・7日。
大分県国東市の岩戸寺、成仏寺と豊後高田市の天念寺で行われる修正鬼会。
千年以上昔から伝わる、五穀豊穣と無病息災を祈願する伝統行事です。
元々は、五穀豊穣を祈る寺院の正月行事である「修正会」と、大晦日の夜に悪鬼を祓う宮中行事である追儺式が変化した「鬼祭」「火祭」でしたが、いつの頃からかこの2つの行事は一体となりました。
赤鬼(災払鬼(さいばらおに))と黒鬼(鎮鬼(しずめおに))が松明を持って境内や集落を回りながら「鬼の目」と呼ばれる縁起餅を撒きます。
参拝者はこの縁起餅を奪い合います。この縁起餅を持ち帰ると縁起が良いとされています。
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